第2条 高圧ガス製造の作業に係る保安について監督を行うため、保安統括者及び保安係員(以下「保安統括者等」という。)を置く。
2 保安統括者は消防課長又は消防担当、保安係員は救助係長又は救助係主査の職にある者をもって充てる。
一部改正〔平成21年消本訓令1号・23年1号・28年1号〕
第3条 保安統括者等は、高圧ガス製造の作業に係る保安の確保(以下「保安の確保」という。)に関する業務を行うものとする。
2 保安統括者は、保安係員に対し当該業務の保安状況について随時報告を求め、その状況を把握しておくとともに、保安係員から危害予防その他の事項について報告があったときは、その状況を調査し、適切な措置を講じなければならない。
3 保安係員の監督すべき事項及び監督の方法は、次のとおりとする。
4 保安係員は、製造設備の保安について毎月1回以上確認するとともに、製造作業に立ち会い、又は作業員に対して保安上の指示を与え、適切な措置を講じなければならない。
第4条 作業員その他の職員は、保安統括者等の保安の確保に関する指示に従わなければならない。
第5条 高圧ガス製造所の境界線を明示し、当該製造所の外部から見やすい場所に
別表第1の警戒標を掲げるものとする。
第6条 製造設備の付近では火気を使用してはならない。ただし、修理のためやむを得ず火気を使用するときは、保安係員が立ち会うものとする。
第7条 高圧ガスの製造に係る施設及び設備の基準については、
一般高圧ガス保安規則(昭和41年通商産業省令第53号)の定めるところによる。
第8条 製造作業は、午前8時30分から翌日午前8時30分までの24時間において製造の必要がある時間帯のみ、保安係員の監督の下に行うものとする。
第9条 高圧ガスの製造に際しては、次に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を確実に実施するものとする。
ア コンプレッサー及び附属機器に破損がないかどうか点検すること。
イ コンプレッサーを始動させる前に、コンプレッサーオイルを点検すること。
ウ コンプレッサーを始動させる前に、充填バルブをすべて開け、圧力を開放し無負荷始動をさせること。
ア 電流によりモーター負荷の状況を定期的に確認すること。
イ 圧縮機本体、圧力計及び配管の振動に常に注意し、異常のあるときは運転を直ちに停止し、修理すること。
ウ 圧縮機内及び軸受の異常音並びに温度上昇に常に注意し、異常のあるときは運転を直ちに停止し、原因を確かめること。
エ コンプレッサーの運転中は、20分ごとにすべてのドレンバルブを開き排出させること。ただし、オートドレン装置使用時については、この限りでない。
ア 通常停止にあっては、関係各弁を停止状態に操作し、送気を停止すること。
第10条 高圧ガスの充てんに際しては、次に掲げる区分に応じ、当該各号に定める事項を確実に実施するものとする。
ア 容器の刻印、容器の表示及び検査の期限以内であることを確認すること。
イ 容器外部の打こん、腐食及び切り傷の有無を確認すること。
ウ 金属性容器は木づち等で軽く打ち、その音響が金属特有の共鳴音でないときは内部検査を行うこと。
エ ドレンその他の部分に異物の混入があるときは、バルブを外してこれらの異物等を排除すること。
オ バルブの取付部締付の緩み又はバルブスピンドルの開閉等の異常がないことを確認すること。
ア 容器内の圧力が最高充てん圧力35度において29.4メガパスカル用容器は29.4メガパスカル以下、14.7メガパスカル用容器は14.7メガパスカル以下になるよう充てん圧力を制限すること。
イ 容器の各バルブ附属品、充てん口等からのガスの漏えいの有無を確認すること。
ア 充てんを完了した容器は、直ちにバルブ取付箇所、安全弁、バルブの放出孔等からの空気の漏れがないかどうか石けん水等の検知液で調べること。
イ 充てん空気を少量放出して、油の酸化分解等により生じた有害な化合物による悪臭がないことを確認し、かつ、ろ紙に空気を静かに通して変色するか、又は湿るかを調べること。この場合において、悪臭があり、又は油気により変色したときは、全部放出すること。
ウ 空気を容器に充てんしたときは、充てん日誌(
別表第2)に容器の記号及び番号、充てん圧力、充てん時間等を記載すること。
第11条 充てん容器等には転落、転倒等による衝撃及びバルブの損傷を防止する措置を講じ、かつ、粗暴に取り扱わないこと。
第12条 修理は、保安係員又はその指示を受けた者の立会いの下に、次項から第4項までの規定を遵守して行うものとする。
2 ガス設備を修理又は清掃をするときは、次に掲げる基準によらなければならない。
(1) 設備内の圧縮空気を排気して圧力を下げ、残圧による危険のおそれのないことを確認すること。
(2) 設備の一部の修理を行うときは、その部分に接続している他の部分からの漏えいを防ぐため、バルブを閉止し、又は盲板の挿入を行い連絡を断つこと。
3 修理完了後、圧縮機内に異物の有無、各弁類取付部その他について異常の有無を点検すること。
4 修理完了後、必要に応じて耐圧試験及び気密試験を行うこと。
第13条 設備点検表(
別表第3)を作成し、使用前後及び毎日点検を行い、記録を保管しなければならない。
第14条 製造施設に対し定期的に年1回各検査を自主的に行い、その結果を定期自主検査表(
別表第4)に記録し、保管しなければならない。
第15条 保安統括者は、別に定める保安教育計画書により教育を行い、その実施記録を保管しなければならない。
第16条 あらかじめ危険時の状況を想定し、作業員に対し毎年1回以上、非常時の訓練を実施し、その結果を記録し、保管しなければならない。
2 危険時の状況及び処置は、見やすい場所に掲示するとともに、定期的にその訓練を行い、作業員に対し周知徹底させなければならない。
3 施設に異常が発生したときは、施設内に放送し、直ちに運転を中止し、作業に必要な係員のほかは安全な場所に退避させなければならない。
4 緊急時における通報連絡系統は、
別表第5のとおりとする。
第17条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、消防長が別に定める。

別表第2
(第10条関係)
別表第3
(第13条関係)
別表第4
(第14条関係)