○鹿沼市ヤングケアラー支援条例
令和5年3月22日条例第6号
鹿沼市ヤングケアラー支援条例
(目的)
第1条 この条例は、ヤングケアラーへの支援に関し、基本理念を定め、市の責務並びに保護者、市民等、学校及び関係機関の役割を明らかにするとともに、ヤングケアラーへの支援に関して基本となる事項を定めることにより、当該支援を総合的かつ計画的に推進し、もって全てのヤングケアラーが健全に成長することができる社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) ヤングケアラー 身体上又は精神上の障害、高齢、疾病等により支援を必要とする親族その他の身近な人に対し、無償で介護、看護、日常生活上の世話、家事その他の支援を提供する18歳未満の者をいう。
(2) 保護者 子どもの養育についての第一義的責任を有する者をいう。
(3) 市民 市内に居住し、又は市内に通勤し、若しくは通学する者をいう。
(4) 事業者 市内で事業活動を行う法人その他の団体をいう。
(5) 市民等 市民及び事業者をいう。
(6) 学校 市内の学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校をいう。
(7) 関係機関 学校以外の介護、障害者への支援、医療、教育、児童福祉等に関する業務を行う機関をいう。
(基本理念)
第3条 ヤングケアラーへの支援は、全てのヤングケアラーが個人として尊重されるとともに、自己実現が図られるように行われなければならない。
2 ヤングケアラーへの支援は、市、保護者、市民等、学校及び関係機関がそれぞれの責務又は役割を果たし、相互に連携を図りながら、ヤングケアラーが社会から孤立することのないように行われなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、ヤングケアラーへの支援に関する施策を総合的かつ計画的に実施する責務を有する。
2 市は、前項の施策を実施するに当たり、ヤングケアラーの意向を尊重するとともに、保護者、市民等、学校及び関係機関と相互に連携を図るものとする。
(保護者の役割等)
第5条 保護者は、基本理念にのっとり、ヤングケアラーについての理解を深め、子どもの意見を尊重しつつ、当該子どもの年齢及び発達段階に応じた養育に努めるものとする。
2 保護者は、本来大人が担うと想定される家事、家族の世話等の責任を子どもに負わせることのないよう、市、学校、関係機関等に対して、家庭が抱える困難に応じた助言、情報の提供その他の必要な支援を求めることができる。
(市民等の役割)
第6条 市民等は、基本理念にのっとり、ヤングケアラーが置かれている状況及びその支援の必要性についての理解を深め、ヤングケアラーが孤立することのないよう配慮するとともに、市が実施するヤングケアラーへの支援に関する施策に協力するよう努めるものとする。
(学校の役割)
第7条 学校は、基本理念にのっとり、市が実施するヤングケアラーへの支援に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとする。
2 学校は、関わりのある者がヤングケアラーであると認められるときは、当該ヤングケアラーの意向を尊重しつつ、当該ヤングケアラーの教育の機会の確保に係る状況、健康状態、生活環境等を確認し、支援の必要性の把握に努めるものとする。
3 学校は、支援を必要とするヤングケアラーからの教育又は福祉に関する相談に応ずるとともに、ヤングケアラーに対し、情報の提供、適切な関係機関への案内、取次ぎその他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
(関係機関の役割)
第8条 関係機関は、基本理念にのっとり、市が実施するヤングケアラーへの支援に関する施策に積極的に協力するよう努めるものとする。
2 関係機関は、関わりのある者がヤングケアラーであると認められるときは、当該ヤングケアラーの意向を尊重しつつ、当該ヤングケアラーの健康状態、生活環境等を確認し、支援の必要性の把握に努めるものとする。
3 関係機関は、支援を必要とするヤングケアラーに対し、情報の提供、適切な他の関係機関への案内、取次ぎその他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
(推進計画)
第9条 市は、ヤングケアラーへの支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための計画(以下「推進計画」という。)を策定しなければならない。
2 推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) ヤングケアラーへの支援に関する基本方針
(2) ヤングケアラーへの支援に関する具体的施策
(3) 前2号に掲げるもののほか、ヤングケアラーへの支援に関する施策を推進するために必要な事項
(広報及び啓発)
第10条 市は、広報活動及び啓発活動を通じて、保護者、市民等、学校及び関係機関がヤングケアラーの置かれている状況及びその支援等に関する理解を深め、社会全体としてヤングケアラーへの支援が推進されるよう必要な施策を講ずるものとする。
(早期発見)
第11条 市、学校及び関係機関は、ヤングケアラーを発見しやすい立場にあることを認識し、ヤングケアラーの早期発見に努めるものとする。
(体制の整備)
第12条 市は、ヤングケアラーへの支援に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な体制を整備するものとする。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、令和5年4月1日から施行する。