賀蘇山神社 遥拝殿
(がそやまじんじゃ ようはいでん)
江戸時代
元禄14年(1701)
鹿沼市指定有形文化財(建造物)
指定年月日:昭和45年5月1日
鹿沼市入粟野
賀蘇山神社
JR鹿沼駅より新鹿沼駅前経由関東バス口粟野車庫行き「粟野支所入口」下車(約30分)。さらにリーバス入粟野上五月行きに乗換え「尾ざく山神社」下車(約35分)
より大きな地図で 鹿沼市文化財 を表示
賀蘇山神社
賀蘇山神社は現在でも鬱蒼(うっそう)とした深山のなか にあり、まさに人外の地の趣をもつ神社です。
ここからさらに険しい山道を登ること3km、尾ざく山直下に岩屋があり、そこに祀(まつ)られている御本社を拝むための建物が、この賀蘇山神社遥拝殿です。
大人の健脚でも90分を要し、また女性の入山が禁止されていた時代もあったことから、ここから遥か山頂を拝む必要がありました。
この遥拝殿は、三間(約5.4m)四方の宝形造(ほうぎょうづくり)で正面に向拝(こうはい)一間を設けて おり、別名を大日堂または下の宮ともいいました。
総ケヤキ造りで、精巧荘厳な彫刻が四囲に配されています。
寛永(かんえい)11年(1634)の日光東照宮修復にかかわった棟梁・彫工たちが、寛永18年(1641)頃に着工し、元禄(げんろく)14年(1701) の完成まで、実に60年もの工期を要し、中には父子二代にわたって造営にあたるなど、その苦心のあとがうかがわれます。
建物を飾る彫刻のうちで最多のものは龍で40頭を数え、東西と北面を埋めています。四隅を守る獣は獅子と象であり、正面欄間にはかわいらしいリスとブドウの透かし彫が見られます。