大谷好美館
(おおやこうびかん)
明治30年頃(昭和前期、平成18年頃改修)
木造二階建、鉄板葺、建築面積61平方メートル
国登録有形文化財(建造物)
登録年月日:平成23年7月25日
鹿沼市今宮町1609
個人蔵
今宮神社への参道に西面する木造二階建、下見板張の写真館建築。同志社大学で学んだ大谷養三が帰郷後、神戸の異人館を参考に、写真館として建築しました。入母屋造妻入鉄板葺で、正面に玄関ポーチを付け、妻壁に植物模様や「美」の文字を飾っています。一階に和室や待合室などの居住スペースを配し、二階を広い写場と暗室にしています。特に写場には天井を張らずに背の高い空間を作り出し、現在は塞がれているものの、自然光を照明装置とするため、屋根の北側一面を延長して立ち上げ、ガラス張りの天窓とするスラントスタジオの形式をとっています。
現在、写真館としての営業は終了していますが、当時、美術写真館にふさわしい外観を造ろうと見聞した洋風意匠を随所にちりばめ、おそらくは和風の大工を指揮して作り上げたものであり、国土の歴史的景観に寄与するものとして登録されました。