紙本墨画 秋山訪友図
(しほんぼくが しゅうざんほうゆうず)
1839年 江戸時代
縦233.0cm・横114.0cm
栃木県指定有形文化財(絵画)
指定年月日:昭和39年12月8日
仲町
個人蔵
天保(てんぽう)10年(1839)、靄厓(あいがい)44歳のときの作です。中央の堂々たる山塊を中心に、画面の上半分を占める山々、画面下部を縦断して流れる川、数多くの樹木などによって、重厚で安定感のある画としています。深山幽谷に点景人物を配する山水画の伝統に従い、橋畔と茅屋(ぼうおく)内に人物を描き入れています。清雅な中にも人間的で親しみ深い雰囲気の漂う作品です。山肌を登る雲烟(うんえん)の先には飛瀑がかすかに響き、近景の静寂さをいっそう際立たせています。全面を覆う靄厓得意の米点が冴えた作品です。