木造 愛染明王坐像
(もくぞう あいぜんみょうおうざぞう)
幸慶
江戸時代
寄木造
像高12.3cm・総高57.5cm
栃木県指定有形文化財(彫刻)
指定年月日:昭和49年3月8日
西沢町478
リーバス「北川医院前」下車、徒歩3分
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正蔵院
眼が三つ、手が6本で、上の手2本は本来は天に向かって弓を引いていることから、俗に天弓(てんきゅう)愛染と呼ばれます。光背(こうはい)は真紅の日輪、宝瓶(ほうびょう)付の台座(だいざ)に乗り、眼は玉眼です。周囲にはガラスの光背をつけた16の菩薩が二重に配されています。徳川御三卿田安宗武(たやすむねたけ)が仏師幸慶(こうけい)に造らせ、江戸湯島霊雲寺(れいうんじ)第四世法明(ほうめい)に賜った像であること、法明が正蔵院(しょうぞういん)に移して、その本尊にしたことが、明和(めいわ)7年(1770)紀年の厨子(ずし)銘などにより知られます。蓮華(れんげ)部、華盤(けばん)、框(かまち)座など、極彩色の装飾的な台座には、精巧に彫刻された小型の諸像とともに、近世工芸技巧の粋がうかがえます。