地蔵菩薩半跏像 胎内仏
木造 地蔵菩薩半跏像及び胎内仏
(もくぞう じぞうもさつはんかぞうおよびたいないぶつ)
江戸時代
半跏地蔵:寄木造、像高37cm
胎内仏:一木造、像高14cm
鹿沼市指定有形文化財(彫刻)
指定年月日:平成10年2月27日
鹿沼市中粕尾139
リーバス上粕尾山の神線「布施谷神社前」下車、徒歩5分
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慈眼寺
地蔵菩薩半跏像及び胎内仏とは、半跏地蔵の像内に 胎内仏として地蔵菩薩の坐像を収めているものです。
地蔵菩薩半跏像(さや仏)は子安地蔵とも呼ばれ、江戸時代の制作で、寄木造、玉眼嵌入(ぎょくがんかんにゅう)、肉身部全泥塗り、衣部褐色漆塗りで、像内は布貼黒漆塗り と大変ていねいに仕上げられています。
一方、地蔵菩薩坐像は、半跏地蔵の下方からすっぽりと収納された真っ白な胎内仏です。頭体部から膝前を含んだ一木造で、木芯が全面左膝前にあり、木目の細かい良材から木取りされた仏像で、右足を上にして結跏趺坐(けっかふざ)しています。地元仏師の作とみられ、ぎこちなさはあるものの、顔は面長で張りがあり、なかなかの美作です。制作年代は、下部に「入仏供養永正二年乙丑九月廿四日」の墨書銘があることから、室町時代末期と思われます。願主は不明ですが室町末期という古い年紀であり貴重なものです。