語り継がれる寓話と神話 ー川上澄生作品を中心にー
古代ギリシャに起源を持つイソップ寓話は、ヨーロッパを中心に普及しました。17世紀には、フランスの詩人ジャン・ド・ラ・フォンテーヌがイソップをはじめ東西の寓話を基にした『寓話』を制作し、擬人化された動物によって人生の教訓を伝えるその物語は現在もフランスで親しまれています。日本には16世紀後半、イエズス会の宣教師により伝来し、江戸時代には各種の国字本『伊曽保物語』が出版されました。明治時代には英語からの翻訳本が出版され、教材として使用されるなど広く普及しました。
ギリシャ・ローマ神話や、キリスト教の聖典である聖書の物語もまた、西洋の美術や文学の代表的な主題として継承されてきました。
川上澄生(1895-1972)にとっても、これらの物語は重要なモチーフのひとつです。絵本や一枚摺りの作品でイソップ寓話を描いたほか、ギリシャ神話の神々や精霊をモチーフに、女性に対する憧れの気持ちを表現しています。聖書についても物語の一場面や聖母子を描いた作品を数多く制作しています。
本展では、19世紀に出版されたラ・フォンテーヌの『寓話』やイソップ寓話、明治時代のイソップ寓話の翻訳本など貴重な資料を交え、寓話と神話をモチーフにした川上澄生作品を紹介し、古代から現代まで語り継がれる物語の魅力に迫ります。
とき
令和7年4月12日(土曜日)~8月31日(日曜日)
開館時間:午前9時から午後5時(最終入館は午後4時30分まで)
ところ
川上澄生美術館・2階展示室
休館日
月曜日(7/21、8/11は開館)、6/24(火曜日)、7/22(火曜日)、8/12(火曜日)
入館料
一般300円(200円)、高校・大学生200円(100円)、小・中学生100円(50円)
* ( )内は20名以上の団体料金、「東武沿線美術館連携事業」共通券割引料金
*毎週土曜日は小・中学生無料
*毎月第3日曜日は鹿沼市内の小・中学生と同伴のご家族は無料
*障がい者手帳の交付を受けている方とその介護者1名は無料
*8/31(日曜日)は洋燈忌記念(9/1の川上澄生の命日)のため無料
関連イベント
「はじめてのびじゅつかん」
講師:保坂 朱音 氏(鹿沼版地域おこし協力隊)、齋藤千明 (当館館長、白鷗大学教授) 、当館学芸員
協力:白鷗大学教育学部
内容:幼児の皆様に美術館を気軽に楽しんでいただきます。
日時:5月8日(木曜日)~7月18日(金曜日)の平日。
1団体につき1回、全5回予定。所要時間約45分。
※休館日、5月13日(火曜日)~16日(金曜日)を除く
対象:幼児(幼稚園や保育園の団体)
会場:2階展示室
※申込期間・申込方法等、詳細は川上澄生美術館ホームページに掲載。
『イソップものがたり』読み聞かせ
協力:絵本とおはなしの会
内容:菊池侃著『イソップものがたり』(挿画:川上澄生 1947年 福地書店刊)の読み聞かせ。
日時:7月20日(日曜日)、8月17日(日曜日)14:00~14:30
会場:2階展示室
対象:幼児~一般
参加費:中学生以下の子どもと同伴のご家族は無料
※上記以外の方は要企画展チケット
ワークショップ「豆本を作ろう!」
講師:渡辺勲氏(木版画家)
日時:7月26日(土曜日)、8月2日(土曜日)各日13:00~15:30
会場:鹿沼市文化活動交流館 創作工房室
対象:小中学生
定員:各日10名
参加費:500円(材料代)
申込:7月5日(土曜日)9:00~当館へ電話で申込
出品作品リスト
美術館ホームページ(外部リンク)
川上澄生美術館の情報はこちらでもご覧いただけます。