古瀬戸印花菊文瓶子
(こせといんかきくもんへいし)
鎌倉時代
高さ27.8cm・胴径18.0cm・口径4.5cm・底径8.7cm
栃木県指定有形文化財(工芸品)
指定年月日:昭和37年4月24日
上久我
個人蔵
人為的に欠かれた口縁(こうえん)部や、出土の際、器内に骨片があったといわれることから、この器は火葬骨蔵器と推測されます。出土地の上久我字寺畑(かみくがあざてらはた)は現在山林となっていますが、地名からもかつては墓地であったことが推測されます。上肩部に43弁の菊花文、胴上部に4個の菊花文を配し、肩にかかった灰釉(はいぐすり)は淡緑色を呈し、やや黄緑色をおびた胴下半部に数条流れています。上久我は鎌倉時代から豪族久賀氏が土着していたとの伝承があり、瓶子の出土地付近からは6基の板碑(いたび)(市指定文化財・考古資料)も出土しています。