鉄造 薬師如来坐像
(てつぞう やくしにょらいざぞう)
1218年 鎌倉時代
像高 50.8cm
栃木県指定有形文化財(考古資料)
指定年月日:昭和37年4月24日
上石川166(薬師堂)
上石川1区・2区自治会
建保(けんぽ)6年(1218)銘を有するわが国の在銘鉄仏(てつぶつ)としては最古の貴重なものです。小像ながら無垢(むく)の鉄造のため83kgとかなり重量があります。眉、目、唇、三道(さんどう)などの隆起や衣のひだなど、単純素朴な表現で、稚拙な鋳造(ちゅうぞう)技術が目立ちます。火災にあったことなどから腐食が進み、右手の臂から先、左手先を失い、右膝の一部も割れています。銘文により、地方豪族であった藤原氏(宇都宮氏か)などが地方鋳物師(いもじ)坂本某に造らせたものと考えられます。