木造天神坐像
(もくぞうてんじんざぞう)
天正17年(1589)ころ、 安土桃山時代
檜材一木造、彫眼、彩色像
像高33.0センチメートル
鹿沼市指定有形文化財(彫刻)
指定年月日:平成30年1月18日
天神町1716(天満宮)
リーバス「天神町」下車、徒歩3分
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天神町自治会
天満宮宮殿内に収められる衣冠束帯姿の天神坐像です。像自体には銘文など見られませんが、顔面の胡粉(ごふん)は良質で、江戸時代以降に見られる柔和な天神像と異なり、怒り天神型の面影を残しています。また同天満宮には当初天神像を収めていたと思われる宮殿屋根(市有形文化財)が残されており、こちらには造立年の天正(てんしょう)17年(1589)および日光山御留守職座禅院昌淳の墨書名が見られます。
当時の鹿沼は壬生(みぶ)氏の支配下にありました。当時、壬生氏の本拠鹿沼城は、小田原北条氏対宇都宮・佐竹両氏の対立関係の狭間にありました。宮殿は宇都宮氏と佐竹氏の度重なる攻撃を受けるという状況の中、壬生氏と日光山が一体となって戦勝を祈願して建立されたことが推測されます。