鹿沼市小中学校再編計画骨子について
本市では、平成28年度に「鹿沼市小中学校適正配置等基本計画」を策定し、学校再編を推進してきました。しかしながら、児童生徒数の減少が想定を超えて深刻化しているため、今年度から新しい学校再編計画の策定を進めています。
これまでに、地域住民や学校関係者で組織する「鹿沼市立小中学校適正配置等検討委員会」の設置や、保護者や学校運営協議会を対象にアンケート調査を実施するなど検討を進め、新しい学校再編計画のたたき台となる「鹿沼市学校再編計画骨子」を作成しました。
今後、保護者や地域住民を対象に説明会(ヒアリング調査)を実施し、令和6年10月には新しい学校再編計画を策定する予定です。
1.基本的な考え方
鹿沼市では、鹿沼市教育ビジョンにおいて「学びから未来を拓くひとづくり」を基本理念に掲げ、「学校」「家庭」「地域」が、それぞれの役割を認識しながら連携を深めてお互いに協力し合い、豊かな未来を切り拓く子どもたちを育てるための教育を推進しています。
学校教育は、集団生活を基本とし、児童生徒に確かな学力とともに豊かな人間性や社会性を育む役割を担っており、そうした社会的な負託に応えるためには、教育の質を保証する学校規模の確保やそれに伴う適正配置が極めて重要であり、市の関連計画との整合を図りながら、中長期的な視点で検討し、保護者や地域の理解を得ながら、学校再編を推進していきます。
また、早期の学校再編を実現していくために、現有の校舎や施設を有効活用し、必要な改修を行っていきます。
鹿沼市における小中学校の適正規模
〈小学校〉6学級~18学級
〈中学校〉3学級学級(16人以上、全校で48人以上)~18学級
※いずれも特別支援学級は除きます。
※適正規模を超える学校を「大規模校」、適正規模に満たない学校を「小規模校」として捉えます。
鹿沼市における適正配置
●小規模校については、近隣の学校との統合により適正規模を確保します。
●大規模校については、出生数が減少しており、将来的に解消が見込まれることから、継続的に児童生徒数の推移を見極め、慎重に検討していきます。
●統合に伴い、通学距離及び通学時間の長くなる児童生徒には、スクールバスの導入等、通学の支援を行います。
●適正規模化への具体的な方策については、それぞれのケースに応じ検討することとしますが、当該地域の意向や地域の実情に配慮して進めます。
●小中一貫校や義務教育学校など、新たな教育制度を検討します。
2.再編計画の期間
本計画の実施にあたっては、実施期間(10年)を前期5年・後期5年に分け、計画を推進します。
「前期」においては、小規模の小中学校の解消を保護者や地域の理解を得た上で進めます。
「後期」においては、前期計画での進捗状況や将来的な児童生徒数の見通しを見極め、再検討します。
3.小中学校の児童生徒数、学校規模の将来見込み
将来的な児童生徒数の見通しを踏まえて、早期の再編が必要となる地域を整理します。
地区名 | 学校名 | 建築年度 | 児童数(名) | 学校規模 | |||
令和5年 | 令和10年 | 令和15年 | 令和5年 | 令和15年 | |||
鹿沼 | 中央小 |
平成22年 |
333 | 284 | 220 | 適正規模 | 適正規模 |
東小 | 昭和54年 | 780 | 662 | 531 | 大規模 | 適正規模 | |
北小 | 昭和10年 | 343 | 284 | 230 | 適正規模 | 適正規模 | |
東大芦 | 西小 | 昭和47年 | 170 | 96 | 86 | 適正規模 | 適正規模 |
菊沢 | 菊沢東小 | 昭和52年 | 277 | 267 | 211 | 適正規模 | 適正規模 |
菊沢西小 | 平成2年 |
72 |
75 | 58 | 適正規模 | 適正規模 | |
北犬飼 | 石川小 | 昭和59年 | 156 |
122 |
101 | 適正規模 | 適正規模 |
津田小 | 昭和63年 | 135 | 94 | 77 | 適正規模 | 適正規模 | |
池ノ森小 | 平成元年 | 20 | 16 | 12 | 小規模 | 小規模 | |
東部台 | さつきが丘小 |
昭和50年 |
606 | 590 |
452 |
大規模 | 適正規模 |
みどりが丘小 | 平成4年 | 439 | 374 | 294 | 適正規模 | 適正規模 | |
北押原 | 北押原小 | 昭和57年 | 405 | 347 | 275 | 適正規模 | 適正規模 |
みなみ小 | 昭和56年 | 134 | 66 | 60 | 適正規模 | 適正規模 | |
加蘇 | 加園小 | 平成6年 | 39 | 37 | 34 | 小規模 | 小規模 |
板荷 | 板荷小 | 平成2年 | 46 | 22 | 24 | 小規模 | 小規模 |
南摩 | 南摩小 | 昭和62年 | 70 | 42 | 30 | 小規模 | 小規模 |
上南摩小 | 平成3年 | 14 | 11 | 8 | 小規模 | 小規模 | |
南押原 | 南押原小 | 昭和63年 | 37 | 29 | 22 | 小規模 | 小規模 |
楡木小 | 昭和48年 | 66 | 53 | 44 | 小規模 | 小規模 | |
粟野 | 粟野小 | 平成26年 | 78 | 50 | 38 | 適正規模 | 小規模 |
清州 | 清洲第1小 | 平成8年 | 30 | 26 | 20 | 小規模 | 小規模 |
清洲第2小 | 昭和60年 | 41 | 34 | 25 | 小規模 | 小規模 | |
永野 | 永野小 | 昭和48年 | 17 | 26 | 20 | 小規模 | 小規模 |
粕尾 | 粕尾小 | 昭和46年 | 38 | 34 | 23 | 小規模 | 小規模 |
合計 | 4,346 | 3,641 | 2,895 |
地区名 | 学校名 | 建築年度 | 生徒数(名) | 学校規模 | |||
令和5年 | 令和10年 | 令和15年 | 令和5年 | 令和15年 | |||
鹿沼 | 東中 | 平成13年 | 815 | 767 | 657 | 大規模 | 大規模 |
西中 | 平成16年 | 351 | 306 | 211 | 適正規模 | 適正規模 | |
菊沢 | 北中 | 昭和49年 | 380 | 409 | 369 | 適正規模 | 適正規模 |
北犬飼 | 北犬飼中 | 昭和49年 | 232 | 221 | 182 | 適正規模 | 適正規模 |
北押原 | 北押原中 | 昭和61年 | 303 | 277 | 187 | 適正規模 | 適正規模 |
加蘇 | 加蘇中 | 平成元年 | 32 | 24 | 20 | 小規模 | 小規模 |
板荷 | 板荷中 | 平成7年 | 34 | 18 | 7 | 小規模 | 小規模 |
南摩 | 南摩中 | 昭和61年 | 42 | 42 | 26 | 小規模 | 小規模 |
南押原 | 南押原中 | 昭和60年 | 82 | 54 | 49 | 適正規模 | 適正規模 |
粟野 | 粟野中 | 平成14年 | 117 | 110 | 85 | 適正規模 | 適正規模 |
2,388 | 2,228 | 1,793 |
※令和10年度以降の数値は、令和5年の実績を基に、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」から減少率を算出して推計しています。
4.学校再編の進め方
再編を進めるにあたっては、将来的な児童生徒数の見通しや保護者等アンケートの調査結果などを踏まえ、統合や通学区域の見直しなどによる適正規模の確保と現校舎の有効活用を考慮しながら進めていきます。
(1)再編を必要とする学校の優先順位
アンケート調査の結果を踏まえ、小中学校ともに要望の高い、小規模校の解消を優先事項とします。
(1)小規模の小中学校(小中学校一体で検討します。)
(2)小規模となる見通しがある小中学校
(3)大規模の小中学校
(2)新たな教育制度の検討
小中学校の統合と併せて進めることが望ましい地区において、小中一貫校や義務教育学校などの新たな教育制度を検討します。
(3)施設の活用方針
(1)早期の学校再編を実現していくために、現有の校舎や施設を有効活用し、統合校舎として活用する場合は、必要な施設改修を行います。
(2)統廃合後の建物及び跡地等は、地域の実態やニーズを十分踏まえながら、市長部局と教育委員会が一体となって、効果的な活用を検討・実施します。
5.規模別の再編方針(案)
(1)小規模の小学校
小学校では、再編の必要な小規模校が11校あり、統合や通学区域の見直しによる解消を検討しています。児童数の将来見込みや通学距離を考慮した、地区別の再編方針(案)は次のとおりです。
地区名 | 学校名 | 学校規模 | 検討中の再編方針(案) |
北犬飼 | 石川小 津田小 池ノ森小 (さつきが丘小) |
適正規模 適正規模 小規模 大規模 |
(1)池ノ森小と石川小を統合 北犬飼中学校も含めた義務教育学校を新設 |
加蘇 | 加園小 | 小規模 | 加園小と西小(と南摩小、上南摩小)を統合 |
板荷 | 板荷小 | 小規模 | 板荷小と菊沢西小を統合 |
南摩 | 南摩小 上南摩小 |
小規模 小規模 |
南摩小、上南摩小、西小(と加園小)を統合 |
南押原 | 南押原小 楡木小 (みなみ小) |
小規模 小規模 適正規模 |
(1)南押原小、楡木小、みなみ小(南上野町)を統合 (2)南押原中学校との小中一貫教育の実施 |
粟野 | 粟野小 | 適正規模 | 粟野小、清洲第1小、清洲第2小、永野小、粕尾小を統合 |
清洲 |
清洲第1小 清洲第2小 |
小規模 小規模 |
|
永野 | 永野小 | 小規模 | |
粕尾 | 粕尾小 | 小規模 |
※具体的な内容を示しておりますが、現時点では、あくまで再編方針(案)となりますので、今後実施する保護者や地域住民ヒアリング調査の結果を踏まえて再編方針を再検討いたします。
(2)小規模の中学校
中学校では、再編の必要な小規模校が3校あり、周辺地域の中学校との統合による解消を検討しています。地区内の小学校も全て小規模校となっていることから、小学校の再編と一体的に進める必要があります。
地区名 | 学校名 | 学校規模 | 検討中の再編方針(案) |
加蘇 | 加蘇中 | 小規模 | 加蘇中と西中(と南摩中)を統合 |
板荷 | 板荷中 | 小規模 | 板荷中と北中を統合 |
南摩 | 南摩中 | 小規模 | 南摩中と西中(と加蘇中)を統合 |
※具体的な内容を示しておりますが、現時点では、あくまで再編方針(案)となりますので、今後実施する保護者や地域住民ヒアリング調査の結果を踏まえて再編方針を再検討いたします。
(3)小規模となる見通しがある小中学校
将来的な児童生徒数の見通しを見極めるとともに、前期計画の進捗状況や保護者や地域住民の意向を踏まえながら、再編方針を検討することとします。地区により、小規模校の統合と併せて進めることが望ましいと判断される場合には、併せて検討するものとします。
(4)大規模の小中学校
出生数の減少により、将来的に解消が見込まれていることから、前期計画中の再編は行わないものとしますが、継続的に今後の児童生徒数の推移を見極める必要があり、社会情勢の急激な変化が生じた場合には、適宜方針の見直しを行うものとします。
6.再編の実施手法
小中学校は児童生徒の教育の場であるだけでなく、各地域のコミュニティの核としての性格を有しています。学校教育の直接の受益者である児童生徒や就学前の子供の保護者の声を重視しつつ、地域住民の共通理解(合意形成を含む。)と協力を得るため、必要に応じて地区検討委員会を設置するなど、「地域とともにある学校づくり」の視点を踏まえ、保護者や地域住民と丁寧な議論・協議をしながら進めていきます。また、合意後に設置する統合準備委員会では、既存の学校の存続ではなく、新たな学校をスタートさせる観点で協議を行います。
●再編計画の実施イメージ
7.今後のスケジュール
年月日 | 内容 |
令和6年2月~4月 | 小中学校PTA・学校運営協議会説明会(ヒアリング調査)の開催(全10回)※中学校区単位 |
4月~6月 | 地域住民説明会(ヒアリング調査)の開催(計15回) |
7月~8月 | 第5~6回小中学校適正配置等検討委員会の開催 |
9月 | 小中学校再編計画(案)を公表し、パブリックコメントを実施 |
10月 | 小中学校再編計画の決定及び公表し、小学校11校、中学校3校の再編協議を開始 |
8.小中学校の配置図