高齢者の居住の安定確保に関する法律に基づく終身建物賃貸借制度の認可事務の権限が、栃木県から鹿沼市に移譲されました。
「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づく制度で、高齢者が賃貸住宅に終身にわたり居住できる仕組みとして、借地借家法の特例として設けられたものです。
具体的には、60歳以上の高齢者が安心してバリアフリー化された賃貸住宅に住み続けられるよう、賃借人が生きている限り契約が存続し、死亡時に終了する、賃借人本人一代限りの賃貸借契約を有効に締結できる制度です。
通常の賃貸借契約では、賃貸借期限を「賃借人が死亡するまで」として契約した場合であっても、賃借人に不利な特約※ということで、期間の定めのない賃貸借となってしまいます。
なお、この制度を利用して賃貸住宅の事業を行う場合は、あらかじめ鹿沼市長の事業認可が必要です。
※「賃借人が死亡するまで」というように、実現することは確実ですがその時期が不確実な期限(不確定期限)をつけた場合には、当事者間でその賃貸借期間の終了を見込んでそれに対する準備ができないという不都合があります。また、その条件の成就によって賃貸借契約が終了してしまうと、賃貸人から賃借人へ解約申入れの場合、賃借人に最低6か月の準備期間を与えている借地借家法第27条第1項の趣旨にも反することになります。したがって「不確定期限」は賃借人に不利な特約であり、この「賃借人が死亡するまで」という期限は原則として無効になります。
※賃借人は、借家権を譲渡または転貸することはできません。
※賃貸人が前払いで家賃を受け取るためには、銀行保証などの保全措置がなされている必要があります。
この制度による賃貸借契約は、終身という長期間の契約になります。そのため、実際に住んでみて「ここなら住んでいたい」となってから終身の契約をする「仮入居」の制度があります。
仮入居の申し出をすれば、1年以内の定期借家契約(仮入居の契約)ができます。仮入居を経験して納得できれば、終身の賃貸借契約をします。
次の場合、市長の承認を受けて解約の申し入れができます。
賃借人が住宅に長期間にわたり居住しなくなり、住宅を適正に管理するのが困難になった場合
なお、賃借人が家賃を支払わないなど契約上の義務を行わないような場合は、市長の承認を受ける必要はありません。
老人ホームへの入居や親族との居住のための場合は、1か月前の申し入れで解約できます。
また、任意の解約の場合は、6か月前の申し入れで解約できます。
賃借人が死亡すれば、この賃貸借契約は終了することになりますが、同居配偶者や60歳以上の同居親族が望む場合は、引き続き終身建物賃貸借契約を新たに締結することができます。
(1)賃貸住宅の構造が次の基準に適合していること
(2)書面によって契約する賃貸住宅で、賃借人が亡くなるまで存続し、賃借人が亡くなった時に終了すること
(3)入居希望者の申出があれば、1年以内の定期建物賃貸借(仮入居)ができること
(4)賃貸の条件で、賃借人から敷金以外の権利金などを受領しないことなど
令和7(2025)年10月1日から、終身建物賃貸借の認可手続きが簡素化されました。
従前は改修などを行ってから「住宅ごと」に認可を受ける必要がありましたが、今後は、事前に「事業者」として認可を受け、実際に終身建物賃貸借を行うまでに住宅を改修し、届け出ればよいこととなりました。
【提出書類】
【各様式】
1事業認可申請書(省令第32条第1項別記様式)(doc 23 KB)
2賃貸住宅届出書(省令第41条第1項別記様式)(doc 75 KB)
5事業変更認可申請書(別記様式第3号)(doc 16 KB)
6加齢対応構造等のチェックリスト(別記様式第4号)(xlsx 144 KB)
7賃貸住宅変更届出書(別記様式第5号)(doc 18 KB)
8解約申入承認申請書(別記様式第6号)(doc 14 KB)
10地位承継承認申請書(別記様式第9号)(docx 10 KB)