ふたたび輝く男性たち【男の台所】
みなさん、こんにちは!
日本の高度経済成長を支えてきた、
とにかく仕事に一生懸命で何事にも頑張り屋の
『団塊世代』と言われたお父さんたち。
(ここでは親しみを込めて、この世代の方々をあえてお父さんたちと呼ばせてください。)
これまで安心した時代を過ごせたのはお父さんたちの頑張りのおかげだと、私はそう思っています。
そんな『団塊世代』のお父さんたち。
お仕事を引退した方がほとんどだと思います。
今まで仕事に全力だった分、いざ時間ができた今、
"どんな風に過ごしているのだろう"
ふと、そんな事が頭をよぎりました。
そんな疑問を吹き飛ばすべく、今日は、団塊世代前後の男性達が、ふたたび輝いている姿を見てきました。

『菊沢コミュニティセンター』で土曜日に月に1回、開かれているあるコミュニティがあるとの事で、さっそくお邪魔しました。

菊沢コミュニティセンターに到着すると、
台車で段ボールを運ぶ男性がいました。
室内に入り調理室へと消えて行ったので、急いで後を追います。
中に入ってみると、数人の方々がそれぞれ準備をしていました。

4か箇所のテーブルの上には、鍋やボウルなどの調理器具と食材が並べられています。
次々と調理室に入ってくるメンバーは、入り口近くのテーブルで会費の千円を支払います。
全員が揃い準備が終わると、テーブルの上にあるコップの中の箸を引き、箸の先に書いてある記号を見てホワイトボードに名前を書いていました。

それぞれ席につき、準備完了。
そこへあてっぷの会、預かりの調味料が運び込まれます。
さあ、『男の台所』の始まりです。
最初に男性が台車で運んでいたものは食材で、
『男の台所』メンバーが交代で買い出しを担当します。
そして先ほど引いた箸は、席を決めるくじ引きでした。
調理する食材の買い出しから自分で行い、くじを引き、その都度メンバーを入れ替え、交流を図るやり方はなんとも効率的だなと感心しました。
ここで『男の台所』の会について、少しご説明したいと思います。
まず『男の台所』の現在の(2026年1月31日)メンバーは15人。
会費は1回千円
毎月第4土曜日開催(その月により変動あり)
男性ならどなたでも参加可能です。
詳しくは調理をしている様子をお伝えしながら
ご説明したいと思います。
まずは『男の台所』の今回のメニューですが、
栃木県の郷土料理でもある、しもつかれです。
調理を教えてくださる先生は元栃木県職員であり
郷土料理の本も出されている
高橋久美子先生です。

高橋先生の作る郷土料理やレシピは
農林水産省ホームページ
【うちの郷土料理】にも掲載されているのでぜひ、ご覧ください。
先生から説明を聞いたら、いよいよ男の台所のスタートです。

まずは大根やにんじんを鬼おろしでおろします。
私もおろすのをやってみましたが、結構な力が必要です。
そんな中、男性達はみるみるうちにすりおろしていきます。さすがです。
そしてこの笑顔。
この調理を始める前に、
『楽しく怪我のないようにやることが第一の目標』と、リーダーの大越さんがおっしゃっていました。
目標通り、楽しく調理する男性方はとても輝いていました。

各テーブルを回っていると、珍しい箱型の鬼おろしを使っている男性がいました。
なんと、大工だったお父様の手作りだそうです。
箱の部分に大根おろしが溜まっていき、効率的でとても使いやすそうでした。
さすが木の街鹿沼。
この先、貴重な文化財になりそうな鬼おろしでした。

さてここで、この『男の台所』を立ち上げた方をご紹介したいと思います。
上記写真にて、鬼おろしでみなさんと共に大根をすりおろしている女性、梅澤啓子さんです。
鹿沼あてっぷの会代表でもある梅澤さんは、とちぎ男女共同参画センター※『パルティ』の
男性料理教室を基に、鹿沼市でいくつもの料理教室を立ち上げました。
2004年4月男の台所会
2008年12月かき菜会、ゆずの会
2011年なすびの会
※とちぎ男女共同参画センター(パルティ)は、男女が共に性別にとらわれず、力を発揮しあえる社会「男女共同参画社会」の実現をめざす施設です。
(栃木県ホームページより一部引用)
現在は四つの会が一つになり、
『男の台所』として活動しています。
エプロンの色が4色あるのはこの名残だそうです。
梅澤さんは、パルティには約30年、
鹿沼あてっぷの会には40年以上も所属し、
この活動を支援しています。
梅澤さんは、明るく前向きな方で、お話していて
とても楽しかったです。
それでは、各班の様子を見に行ってみましょう。

まずA班です。
高橋先生のアシスタントをしている宇賀神ます子さんも少し写っています。
宇賀神さんは、梅澤さんが立ち上げた鹿沼あてっぷの会の会員でもあります。

A班の方に質問してみました。
質問1この場所以外で料理はしますか?
答え (1)自分の食べたいものを家で作ります。
例えば、ポテトサラダ。自分の好きな味付けで作ります。
(2)妻が作ってくれた食べ物をアレンジすることがあります。
質問2男の台所はどうですか?
答え 楽しい。和気あいあいとしている。
この場所で料理を覚え、料理のスキルが上がり、作るのが億劫じゃなくなりました。
男の台所がきっかけで、世界が広がるなんて素敵です。
みなさん、慣れた手つきで料理をしながら答えてくださいました。

次にB班です。
梅澤さんも班のメンバーに入り、
一生懸命、大根やにんじんをすりおろしていました。
高橋先生に教えてもらった、余った大根の葉を捨てずに使って作る餃子がとても美味しいと教えてくれました。

B班の方々に質問しました。
質問1家では料理をしますか?
答え (1)男の台所で作ったものを復習して作ります。
(2)料理はしませんが、あと片付けはします。
(3)お米を研ぐことができます。
この中に私の父もいるのですが、父は昔から天ぷらを揚げるのは母よりも上手でした。
そんな風に、夫婦で手分けして家事担当するのも
良いですよね。

次はC班にお邪魔しました。

質問1料理はしますか?
答え (1)カレー、肉じゃが、お鍋などをよく作ります。実は妻が体を壊してから交代で作る 様になりました。
質問2以前のご職業をお聞きしても良いですか?
答え 横浜でサラリーマンをしていました。
鹿沼市に戻り現在はブルーベリー農家を行っています。
妻は3年前に亡くなったので、自分が食べるために料理をしています。
主に煮物を作ります。
お年を重ねる度に変わる環境の変化の中でも、変わらず頑張っているお姿がとても頼もしかったです。

最後にD班にお邪魔しました。

質問1料理はしますか?
答え(1)焼きとりを作ります。
(2)肉が安い時にポークソテーを作ります。
味噌だれを肉に塗りながら作ります。
よく作るので、家族が飽きてきた様です。
(3)油揚げを皮にした餃子を作ります。
油揚げの中に詰めるので作りやすいし
ヘルシーです。
質問2以前のご職業をお聞きしても良いですか?
答え 農業です。
お赤飯を家で作ってきてくれたメンバーがいて、
みなさんにそれぞれパック詰めして配っていました。
しもつかれといったらお赤飯だそうで、
出来立てのお赤飯に、冷たいしもつかれを食べるのが
ツウな食べ方だとか。
高橋先生によると、しもつかれは大根のすり方一つで、同じ材料を使っても出来上がりが違ってくるそう。

熱湯に大豆を入れてふやかして、皮を取ります。
熱い大豆も男性方は手のひらに乗せながら作業しています。
大根を大量におろす力のいる作業といい、
熱湯に浸した大豆の皮をとる作業といい、
しもつかれはもしかしたら、男性の方が作るほうが合っているのでは?とふと思いました。
鍋でしもつかれを煮つめている間に、
もう一品作ります。
"エリンギの肉巻きつや煮"です。

高橋先生の周りに集まり、調理の説明を聞いている様子です。
みなさんの集中力と眼力にびっくりしました。
先生の説明を一つも逃さず聞くこの姿勢は、今までいろいろ築いてきた方ならでわです。

真剣ながらも、楽しんでいる様子も見られ、
少し離れた所から見ていた私は感動でした。

集中して聞いた後は、調理開始。
見事な手捌きで、どんどん料理が出来上がっていきます。

あっという間に、エリンギの肉巻きつや煮の完成です。
何で美味しそうなんでしょう。
そうしているうちにしもつかれも完成し、
パック詰めまで手際よく行っていました。

私もお土産に、いただきました。
とても嬉しい。

片付けも洗い物もあっという間に終わり、綺麗な状態の調理室に。
今回、『男の台所』に行って思った事ですが、
(1)とにかく段取りが良い
(2)手際が良い
(3)先を読んだ行動をするので流れがスムーズ
この事にびっくりしました。
最後に、思っていた以上にみなさん器用で手際が良くてびっくりしましたと言ったら、
『こういう事が好きな人が集まっているから』
との答えが返ってきました。
"好きこそ物の上手なれ"と言いますが、
お父さん世代の
"何事にも一生懸命"
その姿勢こそが、不得手な事も得意にしてしまうのではないか
と、思わずにはいられません。
今回の特派員取材、
本当に『男の台所』に取材に行って良かった、楽しかった!
そう思いました。
そして何より、まだまだ輝いているお父さん達を見ることができてすごく嬉しかったです。

家に帰ってから、いただいたものをお皿に盛り付けてお昼ご飯にしました。
今回、調理する過程を見せてもらった事により、しもつかれを食べるのがとても楽しみになりました。
しもつかれ、エリンギの肉巻きつや煮、大根と大根の葉の炒め物、そしてメンバー大森さんがご自宅で作ってきてくれたお赤飯、あまりの美味しさに、とても感動したお昼ご飯となりました。
『男の台所』
男性メンバー15人
高橋先生
アシスタントの宇賀神さん
そして『男の台所』を立ち上げた梅澤さん。
みなさんは私の人生の先輩であり、道しるべです。
どうかいつまでも輝いていてください。
それでは、また!








