予防救急
予防救急とは?
予防救急とは、救急事故を未然に予防するために、事故の事例を分析し、予防するための方策を市民に広く普及啓発することです。
全国で毎年約4万人の人が「不慮の事故」で亡くなっています。その中には、注意することにより防げる事故が多く含まれています。
また、応急手当の新ガイドラインにおいても、「救命の輪」の最初に「予防」が入りました。まずは、私たちの日常生活の中に潜む危険を知ること、そして危機管理を身につけること、これが重要です。
このページでは、予防救急情報をお伝えします。
転倒事故対策
- 敷居・床等の段差をできるだけ少なくする。
- 廊下に置かれたスリッパは、特に夜間、廊下の端にそろえておく。
- 濡れた床・廊下等はそのまま放置せず、直に拭いておく。
- 浴室のタイルやマットが濡れているときは、すべりに十分注意する。
- 電気のコード類を、床や畳の上に無造作に這わせない。整理するよう工夫する。
- ビニール袋やチラシはきちんと整理し、床に放置しない。
- 絨毯やカーペット類は、めくれないように固定する。
- 暗い通路や廊下には照明器具を配置し、適度な照度を確保する。
- 浴室・トイレには手すりを付ける。
つまずき防止のため、普段から足元に注意し行動する。
- 使用頻度の多い場所は、特に整理整頓を心がける。
- 雪道での大きな犬の散歩は、犬に引っ張られ転倒危険があるのでしない。
- 転倒事故の起こる危険な場所
- 玄関などの敷居の段差
- たたみの縁、つなぎ目の段差
- たたみと板の間の境目
- カーペットの縁
- 布団の縁
- タイルの段差
- 横断歩道の白線の段差
- バスのステップ
- スリッパが乱雑に置いてある廊下
- 道路工事で舗装しなおした所と旧道路面との段差
- マンホール等のフタが道路面より上に出ている所
- 庭石
- 冬の橋の上(一般道路より凍結しやすい。)
転落事故対策
- 住宅が2階建以上の場合は、階段からの転落防止のため、幼児や高齢者の寝室はできるだけ1階にし、勝手に幼児が階段を利用しないように柵等を設ける。その際、柵の開閉部分が簡単に開かないように配慮する。
- 幼児の窓からの転落防止のため、ソファーなどは窓際に置かない。
- 階段の勾配角度は穏やかにし、出来るなら踊り場を設け、昇降用の手すりを設ける。
- 階段の表面には、滑り止めを付ける。
- 脚立や梯子を使用して庭木を手入れする場合は、脚立等が転倒しないように家人等に保持してもらう。
- 高所で作業する場合には、命綱を付ける等の対策を講じる。
- 階段等の照明は、十分照度のあるものを設置し、スイッチ位置がわかりやすい、通称「蛍スイッチ」を設ける。または、センサー式の足元灯等を設置する。
- つり棚の上等、高所に置いてある物を取るときは、安定した台座を使用する。
- 乳幼児や小児が誤って転落しないよう、ベランダや窓には柵を設ける。(隙間が無いように)
- 吹き抜けのある家では、落下の危険性があるので落下防止に十分な配慮が必要である。
- 洗濯物や布団等を運ぶ際に足元が見にくい状態で階段の上り下りを行う場合は、できる限り足元の見える範囲で行う。特に下る時に注意。
中毒・誤飲・窒息対策
- 医薬品の服用については、医師・薬剤師等から十分説明を受け、規定の服用量を厳守する。
- 乳幼児や高齢者に対しては、のどに詰めないよう、食べ物を小さくする等の配慮をする。(食べ物を小さくし、よく噛んで食べるよう心がけることが重要)
- 食事の際は、異物の原因となる魚の骨等をよく確認する。
- 医薬品を箱に入れておく場合は、乳幼児の誤飲予防のため、お菓子の空き缶などに入れておかない。(乳幼児は、大人がお菓子の空き缶から薬を取り出しているのを見て、おいしいものと間違えてしまう。)つまり、飲食物の容器に他の物は入れな いということ。
- 子どもの前で薬を飲まない。薬を放置しない。
- 乳幼児が口に入れやすい硬貨やおもちゃ類は、乳幼児の手の届かない所や箱の中に入れておく。
- 冷蔵庫に缶酎ハイを入れる際には、ジュースと間違えて幼児が飲まないように出来るだけ上の棚に入れる。
- 出したら、すぐ片付ける。後始末の悪さが事故のもと。
- 子どもが口に入れた直後に大きな声で叫ばない。
- 乳幼児のいる家庭では、1m以下に39mm以下の小さな物や尖った物を置かない。(39mmというのは、3歳児の最大口径が約39mmから出ている数字です。)
※ 誤飲事故の多い品目
タバコ、医薬品、おもちゃ、ボタン電池、化粧品、洗剤、蚊取りマット、体温計、クレヨン、消しゴム、防虫剤、靴クリーム、肥料、カー用品、灯油、ナッツ類、丸いアメ、たくあん、プチトマト、ブドウ、もち、ちくわ、たくあん、こんにゃくゼリー、ビー玉、硬貨、ペンのキャップ、風船など - ピーナッツは、幼児には食べさせないようにしましょう。誤飲して気管に入ると取り出すのが大変になってしまいます。
- 幼児や高齢者が食事をしているときは、異変がないか、常に気を配っておく。
- 乳幼児の手の届くところに、洗剤や殺虫剤、たばこの吸殻等を置かない。(害虫用の殺虫剤は床面に置くことが多いので、乳幼児がいる家庭は注意する。)
- 飲料水の缶を灰皿代わりとし、たばこの吸殻を入れない。飲料水と思って誤飲することがある。(乳幼児が誤って飲む場合が多く、またニコチンは水に溶けると毒性が高くなる。)
- 乳児が就寝中に窒息を起こさないように、うつぶせ寝をさせず、柔らかなベットは避け、また、枕や布団などにも注意する。
- ベットと壁の隙間に落ち込み、死亡する場合もあるので、転落防止を図る。(転落防止用にやわらかいものを置くと、それが原因となり窒息に至ることがあるので注意する。)
- 灯油を使用する暖房器具については、換気を小まめにする。
- 防虫剤・殺虫剤等を使用した時は、換気を十分に行う。
切創・挫創事故対策
- 戸や窓が透明ガラスの場合は、衝突を防止するため、ガラスを着色したり、シールを貼る等の工夫をする。
- 浴室のドアは、安全でしょうか。浴室は床がすべりやすいうえに、せまい場所です。ですから、転倒すると、壁やドアに体をぶつけてしまいます。意識をうしなうと溺水危険もあります。また、特に危険なのがドアのガラスで、裸ですから大ケガにつながります。できるなら、ドアのガラスは合成樹脂のものにしたいものです。無理な場合は、飛散防止フィルムを貼ると、安全性が向上します。
- 乳幼児が使用する食器は、割れにくい素材のものを選定する。
- ガラス等の破片を処理する場合は、保護用の手袋を使用する。
- 刃物類は、乳幼児の手の届かない場所に保管する。
- 住居用の家具や調度品のレイアウトを再検討し、ぶつかる可能性が高いと思われるものは、置き場所を変える等の処置をする。
- 吊り戸棚等の高所に重量物を置かない。
- 引き戸やドアの開閉は、努めてゆっくり行う。乳幼児の指は細く、ドア等に挟むことによって切断する可能性もあることから、特に注意を要する。
- ドアの向こうに人がいるかもしれないと思い、ゆっくり開ける。
- ドアのちょうつがい部分に、空いた牛乳パックを広げてガムテープで貼り合わせたものを、ジャバラ状にして貼り、幼児の指はさみ事故予防を図る。
- 家具や棚等は、できる限り角に丸みがあるものにする。また、衝撃を吸収するものを設置する等の対策が必要である。
熱傷事故対策
- ストーブ上に、やかんを置く場合は十分に注意する。
※付近で眠る際にも換気に注意するとともに、ストーブを蹴飛ばしてヤカンが落ち、熱傷した事例もあるので、その危険も考慮した距離をとる。また、子どもを周りで遊ばせない。
- テーブルかけは、テーブルから垂れ下がるものは使わない。(幼児がテーブルかけを引いて、熱湯の入った容器が落ちる危険がある。)
- 熱湯やスープを運ぶ時は床の段差に注意する。
- 台所周辺の整理整頓に心がけ、つきづき防止等の措置をとる。
- カップラーメン等に熱湯を注ぐ時は狭い場所で行わず、安全な場所で行う。
- 天ぷらを揚げているときは、その場を離れない。万が一油が発火したときは、慌てずに、消火器等で適切な消火を行う。
- 浴槽の湯温確認は、小児に行わせない。
- 浴槽の蓋は、熱によって変形しにくい材質のものを使用する。
- コンロを使用しているときは、乳幼児を近づけない。
溺水事故対策
- 幼児は、ほんの少しの水で死亡すると言われています。洗面器、バケツなどには、水をため置きしないようにしましょう。また、浴槽の残り湯は、火災の折りに消火水として活用できる利点がありますが、幼児のいる家庭では、残り湯は抜いてしまった方が、事故予防につながります。
- バケツ、浅いビニールのプールであっても幼児を一人で遊ばせないようにしましょう。
- 子どもだけで、川や池などに近づかせないようにしましょう。
- 住まいの近くの池や水槽、浄化槽などには子どもが落ちる危険な場所がないかを確認しましょう。
- 浄化槽のふたは、子どもが容易に開くことができないことを確認しましょう。
- 幼児のいる家庭では、浴室に入るドア等にカギがかかるようにしておきましょう。
- 浴槽の湯温確認は、小児に行わせない。
- 高齢者が湯に入っているときは、家族によるこまめな声かけ。
- 洗濯機のそばには、子どもの足場になるようなものは置かないようにしましょう。このような洗濯機の周りのチェックと共に、洗濯機のフタにはゴムバンドを取り付け開かないようにすること、洗濯機を使わない時は電源を切っておくこと、子どもを残して洗濯機を使わないことなども大切です。
- 海や川では、幼児を一人だけにしない。海では、ライフセーバーのいる場所の確認と海上保安庁緊急通報用電話番号「118番」を覚えておくこと。
- 着衣泳の体験とランドセルやペットボトルが溺水者を救う道具の一つになることを知っておくこと。
熱中症対策
1 熱中症の起こりやすい環境や活動の条件(気象・環境・活動条件)
- 前日までに比べ、急に気温が上がった場合
- 梅雨明けをしたばかりの時
- 気温はそれほどでなくとも、湿度が高い場合(例:気温20℃、湿度80%)
- 活動場所が、アスファルトなどの人工面で覆われているところや草が生えていない裸地、砂の上などの場合
- 普段の活動場所とは異なった場所での場合(涼しい所から暑い所へなど)
- 休み明け、練習の初日
- 練習が連日続いた時の最終日前後
- 集団競技で個人が抜けずらい状況のとき、身体の状態が悪くても無理をしてしまう。
2 熱中症予防8カ条
- 知って防ごう熱中症
- 暑いとき、無理な運動は事故のもと
- 急な暑さは要注意
- 失った水と塩分を取り戻そう
- 体重で知ろう健康と汗の量
- 薄着ルックでさわやかに
- 体調不良は事故のもと
- あわてるな、されど急ごう救急処置
掲載日 平成28年9月19日
更新日 平成28年10月5日
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