総合型地域スポーツクラブ Q&A
総合型地域スポーツクラブとはどういうクラブなのか。
一般的に、中学校区程度のエリアにおいて、地域の学校体育施設や公共スポ-ツ施設等を拠点に、子どもから高齢者まで地域住民の誰もが、それぞれの興味や目的に応じて気軽にスポーツに親しめる環境を整えた住民の自主運営による総合的なスポーツクラブのことです。
現在、スポーツしている人はもちろん、スポーツをしたいと思っていても様々な事情(やりたい種目がない、活動場所が近くにない、仲間がいない、きっかけが…)で今までできなかった人たちなど、地域の誰もが気軽にスポーツに親しむことが可能になるシステムを地域のクラブという器で実現していこうとするものです。
なぜ、今総合型地域スポーツクラブなのか。
少子高齢社会の進展や生活の利便化、自由時間の増大など様々な社会環境の変化は、生活様式に 急激な変化をもたらし、人々の心身の健康に大きな影響を与えています。このような中で、健康・体力を保持増進し、生涯にわたり明るく豊かな生活を送るため、スポーツへの関心は急速に高まっていますが、必ずしも日常のスポーツ活動に結びついていないのが現状です。 今後、住民の誰もが気軽にスポーツに親しめる環境の整備が必要であり、そのためには、これまでの全市的行政サービス中心のスポーツ振興から地域に根ざした住民主体のスポーツ振興への転換が求められています。
総合型地域スポーツクラブは地域におけるスポーツの振興を図る一つの方策として、今全国的に注目されているのです。
総合型地域スポーツクラブを育成するとどんなメリットが期待できるのか。
総合型地域スポーツクラブの目指すものは、従来のチームづくりのためのクラブではなく、豊かなスポーツライフ創造のためのクラブ、ひいては地域コミュニティの核としてのクラブです。
したがって、このクラブ育成は、地域のスポーツ振興のみならず、地域における住民意識や連帯感の高揚、世代間の交流、高齢者の生きがいづくり、地域住民の健康・体力の保持増進、地域教育力の回復、学校運動部活動と地域との連携など、21世紀における新たな地域社会の形成にも寄与することが期待されています。
鹿沼市では、このクラブづくりについてどのように考えているのか。
「新・健康都市」を宣言した本市は、市民の誰もが健康で明るく元気に生活できる“健康都市かぬま”実現のため、誰もが気軽にスポーツに親しめる環境の整備に力を入れていかなければならないと考えています。そこで、鹿沼市においても地域におけるスポーツの振興を図る一つの方策として総合型地域スポーツクラブの設立を推進していきたいと考えています。これにより、現在スポーツをしていない方々にも、気軽にスポーツに親しんでもらえるような環境を整えより多くの住民に日常の暮らしの中にスポーツを取り入れた、明るく健康的な生活を送っていただけるようにしていきたいと思っています。
鹿沼市では、このクラブづくりをどのように進めていこうとしているのか。
鹿沼市における総合型地域スポーツクラブは、主に自治会協議会(市内17地区)単位を1つの対象地域とし、既存のスポーツ協会支部組織などを中心に地域のスポーツ関係者が共通の理念のもとにまとまって組織を強化し、運営していくクラブ形態を提案しています。
これは、従来の組織や活動を十分生かしながら、これまで地域に分散していた力、例えば体協支部やスポ少、体育指導委員、公認スポーツ指導者、既存のクラブ等の活動を結集して、住民に分かりやすいしくみとして発信していこうとするものであります。
これにより、これまでのスポーツ協会支部組織で提供されていたサービス(主に体育祭などのイベント等)に加え、今まで以上に継続的・日常的なスポーツ活動を地域住民に提供していけるのではないかと考えています。
総合型のクラブでは、どのような事業を展開していくのか。(主な活動内容)
主な事業としては、イベント・スポーツ教室・日常的なスポーツ活動・広報活動などが考えられます。 基本的には、現在の活動を生かしながら、各地域の実情に応じてできることからはじめていければよいと考えています。
イベントについては、従来のスポーツ協会支部の活動を生かし、またスポーツ教室や日常的なスポーツ活動は、条件がそろうものから順次提案していきます。プログラムの新設は負担も大きく、はじめから多くを望むのは無理があります。現在活動しているサークルにも呼びかけ、地域住民の誰もが参加できるサークルとして開放してもらえるよう働きかけていくことも一つの方法と考えています。また、地域におけるスポーツ情報の提供も重要な事業の一つです。
総合型のクラブは、誰がどうやって運営していくのか。(運営体制、運営資金等)
総合型地域スポーツクラブは、地域住民により自主的に運営されるものです。ですから、その運営経費も基本的には会員の会費やスポーツ協会支部の予算等、それぞれの地域で工夫しながら財源を確保していくことになります。(あまり金のかからない方法で運営したいが…。)
また、クラブ運営を中心となって進めていこうとする住民(特にスポーツ関係者)の存在が不可欠であり、しっかりとした運営体制の構築が重要です。
このクラブとスポ少や既存のサークル(団体)との関係はどうなるのか。
総合型のクラブを作ったからといって現在活動しているすべての団体を無理やり取り込もうとするものではありません。基本的にはそれそれが判断することになりますが、できれば、このクラブづくりの趣旨を御理解いただき、より多くのサークルに加入していただけるよう働きかけていきたいと考えています。
既存のサークルにとって従来の活動が大きく変わるものではありませんが、対応については十分話し合い、互いのためになるようにしていくことが大切であると思っています。
スポ少については、もともと地域に根ざしたクラブとして活動してきた実績があり、目指す理念も総合型クラブと一致するものであります。そのままクラブのジュニア部門の一つとして従来通り活動し、さらに団員の募集や活動の様子などを地域に発信することによって周囲の理解や協力も増し、スポ少に対する地域からの認知度もさらに高まるのではないかと考えます。
また、現在それぞれの団で抱える様々な問題点も、この総合型のクラブを利用しながら解決していくこともできるのではないかと思います。大切なのは、これからの子どもたちのためにスポ少を含めたスポーツ環境はどうあるべきか、地域の大人が真剣に考えていくことだと思います。