土地に対する課税
評価のしくみ
固定資産評価基準によって、地目別に定められた評価方法により評価します。
地目
田、畑、宅地、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、雑種地、公衆用道路など不動産登記法施行令に基づく地目のほかに課税上定めた地目があります。
地積
原則として土地登記簿に登記されている地積によります。
地目の認定
毎年行っている土地現況調査、法務局から通知される登記通知書、現況調査申請により現地調査を行い、毎年1月1日現在(「賦課期日」といいます)の現況の地目により認定されます。
評価価格
売買実例価額をもとに算定した正常売買価格を基礎として求めます。
宅地については、公示価格の7割を目途に決定されます。
宅地の評価
市街化区域の宅地
公示価格や鑑定価格を参考に路線価を付設します。各宅地は、隣接する道路の路線価より土地の状況(奥行、間口、形状等)を考慮して、評価額を決定します。
市街化区域以外の宅地
状況の類似する地域ごとに標準的な宅地を選定し、公示価格や鑑定評価を考慮して価格を決定します。各宅地は標準的な宅地に比準して評価額を決定します。ただし市街化区域と同様に路線価を付設し評価額を決定しているところもあります。
路線価の公開
路線価については、財団法人資産評価システム研究センターの全国地価マップホームページにて公開しています。
- 全国地価マップ(別ウインドウが開きます)
宅地以外の土地の評価
農地、山林の評価
状況の類似する地域に標準地を選定し、その価格から比準して各土地の評価額を決定します。
ただし市街化区域の農地及び農地転用を受けた農地は、宅地の評価額から造成費を引いたのものが評価額となります。
住宅用地に対する課税の特例
小規模住宅用地
住宅1戸当り200平方メートルまでの土地が該当し、課税標準額が1/6になります。
一般住宅用地
200平方メートルを超える小規模住宅用地以外の住宅用地をいい、課税標準額が1/3になります。
(例)300平方メートルの住宅用地の場合、200平方メートルまでが小規模住宅用地、残り100平方メートルが一般住宅用地となります。
住宅用地の範囲
専用住宅については、宅地のすべて(ただし家屋の床面積の10倍まで)、併用住宅については居住部分の割合によって宅地(家屋の床面積の10倍まで)に一定の率をかけた面積に相当する土地
宅地の税負担の調整措置
負担水準(新評価額に対する前年度課税標準額の割合)に応じて、税負担を調整する措置が、土地の利用状況によって、次のように定められています。
※『負担水準』とは・・・個々の宅地の課税標準額が評価額に対してどの程度まで達しているかを示すもの。
負担調整措置とは
評価の均衡化・適正化を図るため、平成6年度評価替え時から宅地の評価については、全国一律に地価公示価格等の7割を目途に引き上げることになりました。これに伴い、税額のもととなる課税標準額を評価額と同様に引き上げてしまうと、税額も急激に上がり、納税者にとって大きな負担となってしまいます。そのため、課税標準額を徐々に評価額に近づけていく措置を取り入れることによって、税負担がなだらかに上昇するようになりました。
この措置を「負担調整措置」といいます。
住宅用地の場合
負担水準の計算式
前年度課税標準額 /
(1/6または1/3)
固定資産税は、次のとおり求められます。
課税標準額(評価額×1/6)× 税率(1.4%) = 税額
※200平方メートルを超える住宅用地は、評価額×1/3となります。
ただし、前年度の課税標準額が低い土地については、課税標準額は次のとおりになります。
負担水準 | 課税標準額 |
---|---|
100%以上 | 今年度評価額×住宅用地特例率(1/6または1/3) |
100%未満 |
前年度課税標準額+(今年度評価額×住宅用地特例率(1/6または1/3)×5%
※ただし、この計算後の額が、今年度評価額×住宅用地特例率(1/6または1/3)を上回る場合は、今年度評価額×住宅用地特例率(1/6または1/3)
※また、この計算後の額が、今年度評価額×住宅用地特例率(1/6または1/3)の20%を下回る場合は、今年度評価額×住宅用地特例率(1/6または1/3)の20% |
商業地等の宅地の場合
商業地等の宅地とは、住宅用地以外の宅地及び農地以外の土地のうち評価がその土地と状況が類似している宅地の評価額に比準して決定される土地(『宅地比準土地』といいます。)のことをいいます。(駐車場や資材置場など雑種地も含む。)
負担水準の計算式
前年度課税標準額 /
固定資産税は、次のとおり求められます。
課税標準額(評価額×70%)× 税率(1.4%) =税額
ただし、前年度の課税標準額が低い土地については、今年度の課税標準額は次のとおりとなります。
今年度の評価額(以下(2)とする)と比べて
- 前年度の課税標準額が(2)の60%以上70%以下の場合は、前年度課税標準額を据え置きます。
- 前年度の課税標準額が(2)の60%未満の場合は、前年度課税標準額 + (2) × 5%
※ただし、上記b.により計算した額が、(2)の60%を上回る場合は60%、20%を下回る場合は20%が今年度の課税標準額となります。
農地に対する課税
農地は一般農地と市街化区域農地に区分され、それぞれ評価及び課税(税負担の調整措置など)について、異なる仕組みが採られています。
一般農地
一般農地は、市街化区域農地や転用許可を受けた農地などを除いたものです。
一般農地については、負担水準の区分に応じたなだらかな税負担の調整措置が導入されています。
負担水準の計算式
前年度課税標準額 /
負担水準 = 今年度評価額 × 100
負担水準 | 措置(負担調整率) |
---|---|
90%以上 | 1.025 |
80%から90%まで | 1.05 |
70%から80%まで | 1.075 |
70%未満 | 1.10 |
市街化区域農地
市街化区域農地は、市街化区域内の農地で、生産緑地地区の指定を受けたものなどを除いたものです。
したがって、市街化区域農地にある農地であっても、生産緑地地区の指定を受けた農地であれば、一般農地になります。
一般の市街化区域農地
一般の市街化区域農地は一般農地と評価の方法は異なりますが、課税については、原則として、評価額に3分の1を乗じた額が課税標準額となり、税負担の調整措置については一般農地と同様(上記の表)とされます。
農地転用について
一般農地または市街化区域農地を農地以外の用途に変更する場合は、農地転用の手続きが必要になる場合があります。くわしくは、農業委員会のページをご覧ください。
宅地・農地以外の土地に対する課税
山林・その他の地目の課税については、次のa.又はb.のうちいずれか少ない額になります。
- 今年度の価格(=本来の課税標準額(1))×税率(1.4%)
- (前年度の課税標準額+(1)×5%)×税率(1.4%)
※ただし、上記b.により算定した額が(1)×20%×税率を下回る場合には、(1)×20%×税率が今年度の課税標準額となります。