水道水で観賞魚を飼うには
残留塩素除去方法の誤り
鑑賞魚などの飼育に水道水を用いる場合、水道水中の残留塩素を除去しなくてはならないことは当然のことです。この除去方法を誤ると魚を弱らせ、あるいは死なせてしまうことがあります。
参考事例
飼育水槽を清掃し、水を全部新しく入れ替え、いつもと同じように塩素を消す薬(チオ硫酸ナトリウムこ通称ハイポ)を入れておいたところ、10時間位して魚が弱って一部死んでしまった。水槽の水は白く濁って変な臭いがする。水道水がおかしいのではないかという苦情が寄せら れました。調査したところ、明らかにハイポの入れ過ぎであり、必要量の50倍程度のハイポの粒を入れたことがわかりました。それが時間の経過とともに溶けて、ハイポに含まれている硫黄分が遊離したため、臭いを出し、また硫黄分は水中の酸素を消費するとともに、ミネラル 分等と反応して白い濁りを生じさせたものと判明しました。
残留塩素の除去方法
水槽を清掃したときなど、比較的多量に水道水を飼育水として使う場合には、塩素の除去方法として次の方法があります。
水槽の水を約3分の1程度残しておき、新しい水道水と混ぜて残留塩素を除きます。
水槽の水を使わない場合は、水進水をタライや洗面器などロの広い容器に入れて日なたに汲み置いて、時々撹押しながら6時間から8時間放置して残留塩素を除きます。
水道水だけで、ハイポ(チオ硫酸ナトリウム)を用いるときは次のようにします。まず、コップ1杯のお湯に、1粒(約0.2グラム、直径7ミリメートル程度)のハイポを溶かし、この適量を水道水に加え残留塩素を除去します。
コップ1杯のハイポ(0.2グラム)の溶液で、水道水50リットルから60リットル分の残留塩素を除くことができます。例えば、水槽が5リットル程度のものでしたら、コップ1杯分に溶かした溶液の10分の1の量を加えれば十分です。ハイポを溶かさないで入れますと残留塩素はなかなか消えませんので注意してください。なお、水を取り替えたときの水温は低すぎても高すぎても魚のために良くありません。あらかじめ取り替える前の水温と同じか、わずかに高めの水温に調節すれば安全です。