発泡、味、生物、その他の異常
泡が立つ
原因
水道水を勢いよく蛇口から流すと、周辺の空気が引き込まれ、泡立ちます。発泡した水道水をしばらく置くと泡が消える場合、これは空気によるものですから問題ありません。泡が消えない場合は、洗剤が容器に付着していることも考えられますので、容器を水で、よくすすいで泡が消えることを確認してから、使用してください。
普段と異なる味がする
原因
水道水は、無味無臭に近いものですが、蛇口の水が普段と異なる味がする場合は、工場排水、下水、薬品などの混入が考えられます。塩辛い味、苦い味、渋い味、酸味、甘味などを強く感じられた場合は、クロスコネクションの恐れがありますので、飲用を停止して、直ちに原因の調査をする必要があります。 鉄、銅、亜鉛などの金属を多く含むと、金属味、渋味となります。給水管にこれらの材質を使用しているときには、滞留時間が長くなる朝の使い始めの水に、金気味、渋味を感じることがあります。朝の使い始めの水は、なるべく雑用水など飲用以外の用途にお使いください。
参考事例
「雑居ビルから給水栓の水の出が悪く、その水を飲むと舌がピリピリする」という問い合わせが寄せられました。現場を調査したところ、pH値、酸度などが異常な値を示したので、雑居 ビルの各戸を一戸ずつ調査したところ、喫茶店で、炭酸飲料製造装置(ソーダマシン)が給水栓に直結されていることがわかりました。ソーダマシンの逆止弁が故障しており、炭酸ガス ボンベのバルブが開いていたため、炭酸ガスボンベから炭酸ガスが給水管に入ったものと判明し、直ちにソーダマシンを停止し、排水を行ったところ異常は解消しました。
水道水を器に受けてその中に生物が入っている
原因
水道水を器に受けてその中に生物が入っていれば、お客さまが驚かれるのは当然です。実際には生物が蛇口から出たのではなく、通常室内あるいは屋内から蛇 口付近に運ばれたと推定される例がほとんどです。しかし、場合によっては、給水施設の異常に原因が求められる可能性もあります。
対策
原因の特定には出現した生物及び水質の詳細な調査が必要です。したがって、安易に判断することを避け、現場の状況を含めた詳しい調査を行う必要があります。特に、排水の混入が疑われるケースでは、原因がはっきりするまで飲用を停止することも必要になりますので、生物が出たという苦情に対しては、迅速に対応することが肝心です。そのうえで、蛇口の周囲を清潔に保つよう、指導する必要があります。
参考事例
水道水中に生物が混入する原因
下水溝のそばの給水管が破損し、断水時に負圧となって下水中の生物を給水管の中に吸い込んだ例かあります。
受水槽と排水槽が隣接し、これらの仕切壁に亀裂などができ、受水槽に排水槽の生物が混入したことがあります。
上水道の給水管と工業用水道管あるいは排水管とのクロスコネクションがあると、給水管内に工業用水や排水中の生物が入り込む場合があります。
蛇口に取り付けたホースが排水槽中に達して、ホースを通って排水中の生物が入り込んだことがあります。
受水槽の定期清掃を怠ったり、蓋の閉め忘れ、通気ロの防虫ネットの破損などにより、ユスリカなどの虫が侵入し、この虫や産みつけられた卵から孵化した幼虫(赤ボウフラなど)が蛇口から出た例があります。
高直水槽の管理が悪いため、内部に藻が生え、この一部がちぎれて流れ出し蛇口から出ることがあります。
塩素注入のみで配水している水道では、地下水あるいは井戸水中に棲息している地下水性の生物が浄水中に漏出することもまれにあります。
アルミニウム製の鍋、やかんに突起物を生じて穴があく
原因
アルミニウムは、鉄などと同様に容易に腐食されます。このため、メーカーでは、製造時にアルマイト加工を行い、アルミニウムの表面に被膜を作り、腐食を防いでいます。この被膜は、非常に薄く、たわし、布類での強い洗浄、又は沸騰の繰り返しなどにより剥がれてしまいます。このようにしてアルミニウムが露出すると、水に含まれる塩素イオンや、湯沸器などの鋼管から溶け出す極く微量の銅イオンによって、アルミニウムの一部分が集中的に腐食され穴があきます。
対策
硬いたわし、布類でこすったりせず、洗剤を使って柔らかいスポンジなどで洗ってください。使用後は水を入れたままにしないで乾燥させてください。また、空炊きに注意してください。
容器に水を汲み置きすると容器がヌルヌルする
原因
容器中の水道水の残留塩素がなくなると、空気中の雑菌(細菌やかび)が水中に入り、容器の壁面に付着、繁殖して、ヌルヌルした状態となります。
対策
こまめに容器を洗い、水を汲み変えてください。